大相撲の今場所は、豪栄道の全勝優勝で幕を閉じました。それにしても、先場所負け越しして

カド番場所で優勝、それも全勝優勝ですので、すごいの一言です。

　優勝に賭ける豪栄道の必死の思いが、数々の取組から窺い知れました。滅多にないチャンスを

活かすことができることは、勝負師として必須の資質なのでしょう。

　この点に対し、稀勢の里はせっかくチャンスを持ちながら、自ら放棄してしまった印象を

受けました。稀勢の里を見ていると、変に老成した感がします。勝負に対する執念が見えて

来ないのです。執念がなければチャンスは活かせないのです。

　今まで横綱になった力士を見ていると、一度チャンスをつかむと全身全霊で勝負に集中し、

階段を駆け上がるようにチャンスをものにしていました。日馬富士もそうですし、

あまりぱっとしなかった鶴竜も、たった一度のチャンスをものにした最たるものです。

　プロ野球に目を転じますと、今年のカープもそうです。勝つことに勢いをつけて、あたかも

神がかったようでした。日本ハムも勢いを活かしています。おそらく優勝するでしょう。

　チャンスは神様の頭の前の毛をつかむことだと言われています。前を通り過ぎる神様を

捕まえようとしても、躊躇してしまうと後ろ頭には毛がありませんから、もう手遅れになるのです。

　このようにチャンスを活かすことは、勝負の世界もそうですし、ビジネスの世界も同じことが

いえるのではないでしょうか。

豪栄道の優勝から感じたこと豪栄道の優勝から感じたこと