SDGsコラム:日本企業によるSDGsの取組み
政府が優れた取り組みであるとして表彰する「ジャパンSDGsアワード」の受賞企業はSDGsのトップランナーとして位置づけられています。表彰の評価基準として「普遍性、包摂性、参画型、統合性、透明性と説明責任」の5つがあります。その中で受賞企業の取り組みを一部紹介します。
(株)伊藤園
主力事業である緑茶事業などで、調達から製造・物流、商品企画・開発、営業・販売の一貫体制(バリューチェーン)全体で価値創造体制を構築して、SDGsの目標12「持続可能な生産と消費」など幅広い目標に貢献したことが評価されました。
・普遍性…茶産地育成事業を九州5県に拡大し、オーストラリアでも展開するなど、普遍性が高く応用可能なビジネスモデル
・包摂性…茶産地育成事業は、地域での女性活躍・後継者・新規就農者・高齢者の活用など幅広い包摂性を有する
・参画型…茶産地育成事業では、農業技術が主体となって、様々なステークホルダーと連携・協力関係を構築
・統合性…茶産地育成事業では、原料調達コストの低減、環境保全型農業及び地域雇用の創出など経済・環境・社会の要素が統合されている
・透明性と説明責任…社内において各取り組みを定期的にチェックし、レポートやホームページでその内容を公開している
(株)虎屋
創業398年の和菓子屋の熟練の菓子職人が、離島の学校や山間部の障がい者支援学級、高齢者福祉施設などで菓子教室を実施し、菓子作りを通した相互交流による循環型の郷土文化の継承と創造サイクルを実践し、地域リソースを生かした新たな市場開拓に挑戦していることが評価されました。
・普遍性…高齢者や子供が中心の中小企業でも取り組めるSDGs活動は、地方創生のロールモデルとなりうる
・包摂性…全員参画型の商品開発と技能継承の促進
・参画型…地元の小中学校、離島や山間部など声がかかればどこでも菓子教室を実施している
・統合性…企業ブランディングという事業的メリットと郷土文化育成という社会的メリットを同時に達成しうる
・透明性と説明責任…事業内容をウエブ上で公開している