資産活用通信2020年9月号「人生100年時代は、〈健康投資〉が最優先課題!」
人生100年時代は、〈健康投資〉が最優先課題!
こんなにかかる生涯医療費
「健康投資」とはいえ、医療費にかけているお金もばかになりません。誕生から亡くなるまでの生涯医療費にどの程度払っているかご存じですか?
•生涯医療費は2,724万円にも
厚労省によれば、2017年の生涯医療費は1人当たり2,724万円(男性:2,622万円 女性:2,831万円)に上っています(下図参照)。中身を見ると、ざっと半分(1,354万円)が70歳以後の医療費で、人生の残り1/3で多額の負担を抱えることがわかります。つまり、70歳以後の医療費を抑えることこそ「健康投資」を成功させるポイントになります。
•健康管理も重要に
現役時代に豊かなセカンドライフを夢見て貯蓄をしても、“不健康ではあっという間に貯蓄が目減り”する現実が待っています。統計データ上も高齢者ほど医療費がかさむ傾向があり、財産管理以上に健康管理が重要だといえそうです。
財産管理より難しい健康管理
投資として「健康」を考えるなら、財産管理と同じように、“自分の健康の適切な管理”は欠かせません。
•不健康な期間が長いほどコストが増える
寿命にも「平均寿命」と「健康寿命」があり、2つの寿命の差が長いほど医療費や介護費用などのコストが増えます。この差を縮める行動が「健康投資」といえましょう。
•資産形成よりも、健康貯蓄の方が難しい
上述のように、充実したセカンドライフをエンジョイするためには健康が第一です。若い時に健康を過信して、好きなものばかり好きなだけ食し、アルコールも飲み放題では、定年前後には身体にガタが来て、仕事のセーブや食を失うリスクまで考えられ、夢に描いた夫婦でのセカンドライフも遠い彼方に。資産の形成状況は把握しやすくても、健康の蓄え状況は目に見えないので日頃の健康管理に頼るしかありません。
•健康管理は予防を中心に
健康維持には“予防”と“治療”があり、治療のコスト負担と身体への負担からも“予防”に重きを置くべきです。コスパの高い「健康投資」は、食事のバランス、規則正しい生活、適度な運動を心がけて、健康寿命を延ばすことが秘訣です。
会社も、社員の健康に投資を始めた
会社も社員の高齢化や有能な人材の人手不足などから、社員への「健康投資」に関心を持ち始めています。社員の健康保持と増進の取組みが将来的に企業収益を生む(=一種の投資)という考えから「健康投資」=「健康経営」と捉えて、積極的に取組む会社が増えています。
実際に、「健康投資」が会社もたらすメリットは、生産性の向上、人材確保とモチベーションの向上、企業価値の向上につながるほか、ワークライフバランスを推進する企業としても評価され、会社のイメージアップも期待できそうです。
「人生100年時代」を豊かに過ごすためには健康であることがなによりも大切です。これからの長い人生に向けて自分の身体への投資にも気を配って、充実したシルバーライフを送りましょう。