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資産活用通信2020年8月号「老後資金の有効な確保手段、リバースモーゲージ」

老後資金の有効な確保手段、リバースモーゲージ

リバースモーゲージって!?

リバースモーゲージは、自宅をお持ちの方が生活スタイルを変えずにそのまま居住し続けながら、必要な資金を確保して、死亡後に自宅を処分して借入金を清算するという、“老後の住まいの有効活用の仕組み”です。
子どもには自宅を遺せなくとも、資金面で子の世話にならずに済み、最後には借金も清算できるため、安心です。

▪ 具体的な仕組みは?

自宅(持ち屋)の価値の範囲内で、自宅を担保にして金融機関から借入れを受け、一方、借入金の返済はまったくせずに、毎月の金利だけ年金収入などから支払い(=金利も払わず、借入金に上乗せタイプもある)、最終的に借入金は死亡後に自宅を処分して一括返済します。
生存中の資金不安を解消できる、主にシニア層向けの融資制度です。借入金は、死亡後に自宅(持ち家)を処分し、その代金で借入金を一括返済します。

▪ 住宅ローンとの違いは?

自宅担保での借入れという点では、住宅ローンもリバースモーゲージも変わりません。
住宅ローン:毎月元利金を返済し、借入金は毎月減っていく。
リバースモーゲージ:“リバース(reverse:逆)”の名前のように、借入金を返済しないので、元本は減らない。金利を支払わなければ、借入金が増加していくケースも。

リバースモーゲージのメリット!

メリットはつぎの3点にまとめられます。

▪ 住み続けながら、借入れできる!

最大のメリットは、「住み続けられて借入れできる」点です。生活スタイルはそのままで、年金収入や蓄えが少なく老後の生活資金に不安なケースでは、リバースモーゲージは有効です。
借入額は、自宅の価値(⇒担保能力)に応じて決められ、一括受取り、年金のように毎月受け取り、また、必要な都度に必要額を受け取るなど、バリエーションがあります。

▪ 使い道は比較的自由に!

借入金は、金融機関や契約内容によって自由型(使途は自由)と限定型(使い道を限定)の2種があり、自由型なら、生活資金に限らず旅行費用、自宅リフォーム費用、老人ホームの入居金などにも充てられます。

▪ 利用時の審査が緩やか!

住宅ローンと違い、所有する不動産が担保のため、年収要件などは無いに等しいようです。金融機関により利用年齢は異なりますが、通常は契約者(同居配偶者を含む)が65歳以上が多いようです。
基本的には、本人生存中は返済義務がない(利払いのみ支払うケースあり)点もメリットの一つです。

リバースモーゲージで気を付けておくべき点!

メリットの一方、つぎのような点には気を付けておきましょう。

▪ 担保提供の“自宅(持ち家)”には制限が!

対象物件は(基本的に)一戸建て自宅で、マンションは対象外が多く、大都市部に限定するなど地域的な制限もあります。金融機関によっては、所在地域次第でマンションでも利用可能なケースもあるようですが、数は少ない様です。事前に、金融機関に確認しておきましょう。

▪ 推定相続人の同意が必要!

リバースモーゲージを利用の際には、推定相続人全員(子どもなど)の同意が必要です。相続人の子どもが拒否すれば、利用できないことがあります。将来の相続も見据えた慎重な対応が求められます。

▪ 「長生き」、「金利上昇」、「不動産価格下落」などのリスク!

長生きリスク:借入可能額は“自宅の担保能力の範囲内”のため、長生きで借入金が膨らみ、将来の一括返済額も増加します。結果的に、生存中に借入枠を使い切り、困ることも考えられます。
金利上昇リスク:適用金利は変動金利が多く、金利上昇時には返済額が膨らむ可能性が生じます。
不動産下落リスク:担保の自宅は定期的に見直され、評価額が下落し借入限度額を割り込んでしまい、場合によっては一括返済を求められることもあり、注意が必要です。

リバースモーゲージ利用時の注意点

高齢化、長寿化に加え、空家問題もクローズアップされる中、リバースモーゲージは住まいの有効活用や老後資金確保の手段としてとても重要です。
近年、リバースモーゲージに参入する金融機関も急増し、市場が拡大しています。一方、取扱商品は金融機関により異なるため、商品内容や利用条件、上記のメリット・デメリットの事前確認が欠かせません。
あくまでも「自分で用意した老後資金の足しになる商品」と考えておくべきで、リバースモーゲージが「老後資金の有益な確保手段の一つ」となるように、事前のライフプランニンングが大切です。

出典 43NAVI㈱コンサルティング・アルファ

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