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経営通信2022年12月号「続く原材料価格の高騰! どうする値上げ・価格の見直し」

続く原材料価格の高騰! どうする値上げ・価格の見直し

原価上昇のなか、価格競争で生き残ることは難しい

原価上昇が続いています。このままでは利益が出なくなってしまうものの、競合他社の存在を考えると値上げは難しく、価格競争を続けて苦しんでいませんか。
価格競争を抜け出すためには、価値を高め、価格を上げるための「知恵比べ」で、競争から抜け出すことが必要となります。

値上げのための4つの方法

(1) 値上げしやすい商品や取引先から値上げする

多くの原材料が値上げされています。このような状況であれば、中国のロックダウン、ウクライナ問題、円安、海上運賃の上昇など、皆に知られているような理由を値上げ交渉の材料にすることができます。
値上げの際は、原材料だけではなく燃料費、運賃など値上がりしているものをすべて組み入れてください。また交渉は、もし取引がなくなったとしても自社の経営に大きな影響を及ぼさない取引先から行います。

(2) 基本形を値下げし、オプション化して商品単価を上げる

単純な値上げは得意先に反発される可能性があります。そこで、現在の商品の機能や品質を基本形だけに絞り込んだ「基本形」を、値下げして提供するようにします。
そして、これまで無料で提供していた付属品やサービスなどをオプション化し、付加商品として有料化します。
不要なものを取り除いて値下げすれば、それを好む取引先はそれで満足します。それで足りない取引先は、オプションを付けるでしょう。そうなれば客単価が上がり、貴社がより利益を上げることができます。

(3) 価格帯を増やす

単純な値上げではなく、価格帯を増やすことによって、単価を上げる方法もあります。
例えば、現在2つの価格帯を設けている商材であれば、中間に1つ価格帯を設けることで、真ん中の商品が売れるようになります。単純な値上げと違って、すんなり受け入れてもらえます。
ただし、あまり価格帯を増やしすぎると、顧客は選ぶのがおっくうになり、買うのをやめることもあります。2段階を3段階に、3段階を4段階にするくらいがよいでしょう。

(4) 直販比率を増やす

卸売業者を通して販売している会社や、下請け体制の会社では、直接販売を増やすことで粗利益が増え、実質的な値上げの効果が出ます。
ホームページやSNS、Googleビジネスプロフィールなどを使って、経費がそれほどかからない新しい流通チャネルの開拓に取り組んでみてください。特に、YouTubeやTwitter、Facebookなどでの動画を使った情報発信(自社専用のテレビ局を持つようなもの)に取り組んでみてください。
最初から上手にやろうとすると、心理的負担が大きくなりますが、とりあえずはじめて、やりながら上達していくつもりで臨むと、大した問題はありません。

イメージアップでブランド化する

イメージを上げるには、今回扱った①値上げする、以外にも②専門化する、③オンリーワン化する、④商品名を工夫する、などの方法があります。
これらを組み合わせれば、独自化や差別化ができ、すべての中小企業(部品製造業を含む)でブランディングが可能になります。
原価の上昇に悩み、値上げを検討している今こそ、既存のビジネスを新しいステージへと移すチャンスです。

出典:事務所通信

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