経営通信2022年7月号「ポストコロナを見据えた 中小企業の収益力改善等を支援!」
ポストコロナを見据えた 中小企業の収益力改善等を支援!
「中小企業活性化パッケージ」には、「コロナ資金繰り支援の継続」「収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援」の二つの支援があります。
収益力改善等の総合的支援では、コロナ禍で債務の増加に苦しむ中小企業に対して、①収益力改善、②事業再生、③再チャレンジというフェーズに合わせて、認定経営革新等支援機関や中小企業活性化協議会が、計画策定やその後のモニタリングなどの支援を行います(図表参照)。
収益力改善フェーズ
「早期経営改善計画策定支援」(ポスコロ事業)は、資金繰り管理、経営状況の把握など基本的な経営改善に取り組む中小企業が、認定支援機関から、経営改善計画の策定やその後のフォローアップなどの支援を受けて、早期に経営改善を図るためのものです。
この制度が以下のように見直されました。
令和4年度は、コロナ、ウクライナ情勢、原油価格高騰等に起因した影響を受けている事業者であれば、過去にポスコロや後述する405事業を利用していても、2回までの利用が可能になりました。
また、計画策定支援に加え、計画実行状況のフォローアップや助言等の伴走支援が強化されます。これに伴い、計画策定費用の補助は、伴走支援を実施した場合に限り、計画策定費用をフォローアップ費用の2/3を補助する仕組みへと変更になりました。
また、新たに、経営者保証の解除に向けた計画策定が支援対象に加わりました。
事業再生フェーズ
(1) 経営改善計画策定支援(405事業)
本事業は、借入金の返済負担等、財務上の問題を抱え、リスケや、新規融資等の金融支援を伴う本格的な経営改善に取り組む中小企業に対して、認定支援機関が計画策定やモニタリングなどの支援を行うものです。
令和4年度から従来の制度に加え、経営者保証解除を目指した計画の策定と金融機関との交渉費用が支援の対象に追加されました。
また、新たに、事業再生等のための私的整理に取り組むための計画策定が支援の対象になりました。
(2) 事業再構築補助金等を拡充
中小企業活性化協議会等から支援を受けて事業再生に取り組む事業者の収益力改善のため、「事業再構築補助金」に、通常枠よりも補助率を3/4(中堅企業は2/3)に引き上げた「回復・再生応援枠」が創設されます。「ものづくり補助金」についても、再生事業者の補助率の2/3への引き上げや審査時の加点が行われます。
出典:TKC事務所通信