FP通信2024年12月号「新NISAの2024年振り返りと ゴールベースアプローチで考える資産形成」
新NISAの2024年振り返りと ゴールベースアプローチで考える資産形成
2024年は改正新NISA制度がスタートし、多くの方が資産形成の新たな一歩を踏み出した年でした。この1年を振り返りながら、将来に向けたゴールベースアプローチ(目標志向型の資産運用)の重要性を解説します。
2024年の新NISAを振り返る
改正された新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠が統合され、年間最大360万円の非課税投資枠と非課税期間の無期限化が導入されました。これにより、投資初心者から経験者まで幅広い層に利用が広がりました。主な動向としては下記のとおりです。
(1) 若年層の投資参入
初心者がつみたて投資枠を活用し、インデックスファンドなどで資産形成を始める動きが顕著でした。
(2) 長期的視点の浸透
非課税期間の無期限化により、長期的な資産形成を重視する運用が増加しました。
(3) リスクの再認識
成長投資枠の利用が進む一方で、リスク許容度を超えた運用で市場の動きに振り回されるケースも見られました。
ゴールベースアプローチの活用
ゴールベースアプローチとは、人生の目標を基に投資戦略を立てる方法です。この考え方を取り入れると、新NISAの特徴を最大限に活かせます。
(1) ゴールを設定する
まずは、自分が達成したい目標を明確にし、目標ごとに必要な金額と期間を設定することが重要です。
【例】
▪ 10年後のマイホーム購入
▪ 子どもの教育資金準備
▪ 老後資金の確保
(2) 投資戦略を設計する
各ゴールに応じリスクとリターンを考慮して投資しましょう。
① 短期目標(~5年): 債券型や安定型ファンドを選択
② 中期目標(5~15年) : 株式と債券のバランス型ファンドを活用
③ 長期目標(15年以上) : インデックスファンドや成長投資枠を活用
(3) 定期的に見直す
目標の進捗やライフステージの変化に応じて、ポートフォリオを調整します。
2025年に向けたポイント
2025年以降、新NISAをさらに効果的に使うためには以下を意識しましょう。
(1) 非課税枠のフル活用
年間360万円の非課税枠を使い切ることで、効率的に資産を増やせます。少額からでも早く始めることが大切です。
(2) リスク許容度を見極める
市場の変動に一喜一憂せず、ゴール達成に必要なリスクを取りましょう。
(3) 学び続ける姿勢を持つ
投資環境は常に変化しています。正しい情報を取り入れ、金融リテラシーを高める努力を続けましょう。
ゴールを明確に、未来を形作る
新NISAは資産形成の強力なツールですが、目的が曖昧なままでは効果を十分に発揮できません。ゴールベースアプローチを取り入れることで、「何のための投資か」を明確にし、効率よく未来を形作ることができます。
2024年の経験を糧に、2025年も計画的な資産運用を続けていきましょう。資産形成は長い旅です。一歩ずつ着実に進めることで、目標達成の道が開けていきます。