「経営通信2018年1月号」を発行しました
特集記事は、「経営理念を身近に、日々の行動につなげる1年にしよう」です。
経営理念は会社の道標
経営理念は、会社の存在意義や大きな経営目標を示す道標の役割をもっています。
「経営理念の必要性を感じない」という声もあるでしょうが、人の心は、自分の仕事を通じて社会や人に貢献することに喜びを感じるものです。
また、崇高な理念が企業を育てるという実証研究結果(『中小企業白書(2003年版)』)も報告されています。宮田矢八郎前産業能率大学教授は、「理念は独自性を生む」と、企業経営における経営理念の有効性・重要性を指摘しています。
理念を具体化する行動指針を作る
実際に、経営理念を掲げていても、社員になかなか浸透しない例が多いようです。経営理念を社内に浸透させ、経営に活かしている企業は、次のようなことを実践しています。
(1)経営理念をより身近なものにする
経営理念は、社員の身近な存在でなければなりません。経営理念を額に入れて飾るだけでなく、例えば、朝礼や会議で経営理念を唱和してみましょう。
経営理念や創業の精神、年度方針、数値目標、将来のビジョン、個人の目標を記載した小冊子や手帳を社員に配布している企業もあります。
(2)具体的な行動指針を作る
経営理念は、抽象的な表現が多いため、理念を具体化した行動指針や行動目標を作りましょう。具体的なほど、社員は行動しやすくなります。それは、大きな声で挨拶、礼儀正しく、などでも良いのです。
【事例】 社員とともに経営理念を作り、理解と賛同を得る~有限会社エスタシオ
私たちは、“心の底から美しく”を通して、すべての人に新たな感動と幸せを提供し、社会に貢献し続けるファミリーです。
美容室4店、エステサロン1店を経営する有限会社エスタシオ(東京都)の経営理念は、舟木なみ社長が、経営理念の必要性を社員に繰り返し説き、半年かけて社員全員で作り上げました。
毎年、「理念手帳(マインドブック)」の全社員への配布と社内勉強会を通じて経営理念の実践に取り組んでいます。社内勉強会では、「社長力」「管理力」などをテーマに、社員同士で話し合っています。
目標や指針を全社で共有することで意欲の向上につながり、幹部、現場のスタッフが、それぞれの立場で、売上や利益、コストへの意識が芽生え、自分で考え、行動するようになっているといいます。
【理念手帳への内容】
●経営理念 ●5年後のビジョン ●年度方針
●店舗や部門ごとの方針 ●数値目標
●個人の成長目標 など
エスタシオピラミッド
出典: TKC事務所通信