代表ブログ「野村監督」
野村克也さん
つい最近、野村さんが旅立ってしまいました。突然のことでびっくりすると同時にとても残念でした。
野村さんは、選手や監督で名声を上げた人でしたが、テレビ解説でも他の解説者と一線を画していました。
他の解説者は、プレーした後にその選手のプレー自体を評価するのに対し、野村さんは、一球ごとに次はどのコースになんの球種かを予測したり、打者や投手の心理を推理するなど、見ていても試合が単に勝ったリ負けたりする以上に味わい深いものになっていました。
野村さんは本当は、長嶋さんや王さんのような素質には恵まれていなかったと思います。なにせテスト生として南海球団に採用され、当初2年間はほとんど二軍生活だったことがそれを表わしています。
私は、野村さんがプロ野球で成功した理由は、次のことだと考えるのです。
第一に父親を3歳で亡くし、病弱な母親に兄と二人養ってもらい、新聞配達をするなど、貧しい生活を送ってきたハングリー精神が原点にあるということです。
次に、本人が言うように、他の選手の3倍4倍の練習を積み重ねてきた努力の賜物があったということです。入団して2年目のころ、監督が全選手を集め全員の手のひらを見たところ、野村さんだけが豆だらけだった、ということを昨年のNHKのインタビューで、誇らしそうに言っていました。
更に、常にメモを取るなど、相手選手のことなどを事細かに分析し、かつ自分でも様々に工夫し続けてきた考える努力を重ねてきたこと大きかったと思うのです。
最後になんといってもケガに強い、タフな体があったからこそ長い選手生活を送って来れたことが挙げられます。一生選手と自負してたしか45歳ぐらいまで捕手として活躍したはずです。
15冊ほどの著書を著わしていますが、野球だけでなく人生論やリーダー論などの本もあり、私も何冊か読みました。読みやすくなるほどだなあ、という本ばかりです。
出来得るなら、一度野村さんの講演を聞きたかったなあ、と残念に思う次第です。