貞観政要
中国古典の一つ、『貞観政要』をようやく読み終えました。この本は、東洋の帝王学の
本とも言われています。
この本は、中国古典の翻訳者として有名な守屋洋氏が訳したものですが、唐の2代目皇帝であり、
初代の息子として、実質的には唐を興した太宗と、彼を補佐した名臣たちとの政治問答集
です。
この本は、日本においても鎌倉時代の北条政子が、わざわざ学者に命じて和訳させたほどの
ほれ込みようで、以後、北条氏は代々この書を治世の参考書として重んじていたとのことです。
また、徳川300年の基礎を固めた徳川家康も、この書を愛好し、足利学校で出版を命じ、
江戸時代の藩主は、この本に親しんだものが多いと言われています。
有名な言葉で、「草創(創業)と守成といずれか難き」を聞いたことがあると思いますが、
この太宗が側近のものを集めて下問した問いです。
どちらも困難なことではありますが、唐を興して草創した後の世の中を治めること、すなわち
守成をテーマとした読み物となっています。
奥深い読み物として、現代においても通じるものがあると思われます。一気に読むことが出来る
本ではありませんが、一度は読んでおきたい書物です。