税制改正大綱
ようやく2018年度の税制改正大綱が決定しました。年収850万円超の会社員への所得税増税や
たばこ税の増税、新たに森林保護や観光インフラ整備のための新たな国税も創設される内容と
なりました。
衆議院選挙で自民党が大勝したことから、国民から信任を受けている今がそのチャンスだと
して、増税に踏みきった背景が透けて見えます。
その中で、非常に良いと思ったのは、事業承継税制が拡充されたことです。言ってみれば、
承継した株式にかかる相続税の納税猶予が、今までは最高でも半分しかなされなかったのですが、
今回から全額が猶予されることができるようになったことです。
また承継した株式が、その後株式の評価額が下がっても、今までは承継時の高い価格で相続税が
計算されていたのですが、これも今回から株式評価額が下がった場合は、差額が免除されることに
なりました。
ところで所得税増税は、今回に始まったことではなく、今まで増税の仕組みが強化されてきて
いました。最高税率を40%から45%になったのもそうです。給与所得控除額に上限を設けたことも
そうです。
今回はさらに給与収入者への幅広い課税を行ったということです。こうしてみると、法人への
課税は減税にしていくものの、国民から満遍なく課税していこうという志向がわかります。
今後増収を図るためには、新税創設を始め抜本的に変わる可能性があるのではと、心配な面が
あります。税制改正の流れと背景を踏まえつつ、見極めていくことが肝要です。