機先を制す

　合気道は、よく守りの武道と言われています。いたずらに攻撃していく武道

ではないですが、守りっ放しでは受け身になってしまい、勝ちを収めることはできません。

　合気道の稽古や演武を見ていて、最近気が付いたことがありました。それは、相手が

攻撃した時の対処の仕方です。

　まず初期の段階の人は、相手が攻撃してきたときに、その場で動かずに待っている人です。

この場合、どうしても相手のペースに合わせていくことになりますから、相手のほうが始終

攻勢の位置を占めますので相手が有利です。

　次の段階の人は相手が攻撃した時に、一緒に動きを合わせて技をかける人です。こちらの

技量が上なら相手を制することはできますが、同じ技量なら甲乙つけがたいことになるでしょう。

　その上の段階の人は、相手が攻撃の動作に入る前にそれを察して相手より早く動くことができる人です。

そうなると、こちらのペースに持ち込むことができ、有利な立場となります。

　実はその上があるということが、最近分かったことです。それは、相手が攻撃しようという気を

発する前に、こちらが先に気を出していくということです。そうなると圧倒的に有利です。

　動作を起こすには、1秒前後時間がかかりますが、気を発するには、瞬時でできます。この時間の

差は無限大の大きさです。段々、合気道が面白くなってきました。

私の考える合気道の極意　その40私の考える合気道の極意　その40