撃墜王
私は最近読む本は、小説よりもノンフィクションが多くなってきました。ノンフィクションは、
小説のように虚構ではなく、真実を描いていて、実際を体感できるような迫力があります。
その代表的なものは、絶望的な危機からの生還が多いのですが、大体読んでしまいました。
そんな時、昔から一度読んでおきたいな、という本を思い出しました。
それは、第2次大戦で撃墜王と言われたゼロ戦戦闘機の「坂井三郎」氏が書いた、『大空のサムライ』
という本です。早速アマゾンで取り寄せました。
この方は、なんと64機もの戦闘機を撃ち下ろし、欧米の戦闘機乗りを震え上がらせた人です。
戦闘機通しの戦いの場面は、手に汗を握ります。また、15機もの相手から一斉に撃たれ、
半死半生でラバウル基地までたどり着いた生還は、奇跡というほかありません。
この本を読んでいると、坂井氏は単に腕が良かったとか、運が良かったということだけ
ではないことがわかりました。
相手の戦闘機を早く見つけることが有利になるということで、昼間に空の星を見つける
訓練をしたり、空を飛ぶ鳥の群れの数を素早く数えたりすることで、視力を2.5まで高めたそうです。
また、反射神経を良くし一瞬で行動できるように、止まっているハエやトンボを捕まえることが
できるようになったら、今度はハエやトンボの速力を判断して、動いているときも手でたやすく
捕まえることができるようになった、ということです。
「ハエやトンボが、自分から私の手の中に飛び込んでくるようになった」と言っています。
それから、空中戦は苦しい最期の時にへたばった人が必ず落とされる運命にある、ということで
徹底的な頑張りがないといけないといっています。
そのために逆立ちも普通の人が4分か5分で倒れてしまうのに、15分続けることができるように
訓練したり、2分半も息を止めることができるようになったということです。
挙げてみるときりがないですが、本当にすごい努力をしています。その精神力も半端なもの
ではありません。
また、こうも言っています。「普通の人間といわれる大部分の人たちが、果たして生まれてから
自然に死んでいくまでの長い期間に、自分が持って生まれた人間としての性能の何パーセントを使って
この世から去って行っているだろうか。私は平均30%ぐらいだと考えている。あとの70%は捨てているのである」
この方は、84歳まで長生きしたのですが、他にも本を出しています。また注文してしまいました。
ますます、この方を知りたくなりました。
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